ブックレット『子どもと楽しむお話ヨーガ』のこと

今回はブックレット『子どもと楽しむお話ヨーガ~理論と実際~』(著者・伊藤華野/イラスト・松尾有輝子/出版・一般社団法人こどもカルチャーEducation.JPN)のことをお伝えしてみます。このブックレットをテキストにした講座が、実は2020年6月に初開講。コロナ禍のオンライン講座に初めてトライしました。
その後、ご紹介をしてこなかったので、この春あらためてご紹介いたします。
子どもたちはお話が大好きです
お話は決して楽しいばかりではなく、マルトリートメント(避けたいかかわり)下のお話も、寂しい気持ちで終わるお話もあります。でも、子どもはお話が大好き、それは何故なのでしょう。
子どもはその世界に入り込むことがとても上手だからです。そのとき、子どもの「こころ」はのびのびと解放されます。そして、その世界に出向いても、またいつもの現実に戻るという体験ができるのです。こうした繰り返しを通して、物事には「はじめがあっておわりがある」という理を知ります。このことは、子どものトラウマケア(こころの傷の癒し)にも大きな力を発揮します。
「おとぎ話」は生命の理(ことわり)に気づき親しむことのできる児童文化財
お話、中でも「おとぎ話」は、おとなが子どもに伝え、子どもが仲間と共有でき、生命の理(ことわり)に気づき親しむことのできる素晴らしい昔ながらの児童文化財です。
お話ヨーガではそうした「お話」を頭の中で想像し、出来事を理解するだけではなく、お話に登場する人や物、環境に変身し、喜んだり、困ったり、大声をだしたり、沈黙したり、泣く真似や笑う真似で、カラダをつかって感覚や感情を表出する間をもちます。乗り物になったり、動物になったり、木になったり、風や太陽に変身し、息と一緒にカラダじゅうの力を入れたり緩めたりしながら、やってくる感覚や感情をありのまま体験します。
お話ヨーガでポーズ(pose)とポーズ(pause)、リラックスを繰り返し、自分の息に気づいていると、自分一人だけではなく、他の人の息にも気が付いていくことができるようになります。ここちよいってどんなことだろう、一人でいることも皆でいることも、どっちも何だか楽しいなあとカラダから実感できるようになるのです。
お話には各民族の伝承に秘められた生命原理がたくさんあります。世界とつながることのできる「お話」を感覚、感情、考え、環境を味わうマインドフルネス・ヨーガ、お話ヨーガで子どもとやってくださろうとする、おとなの方を探しています。
おとなの方も、子どもと一緒に生命の理(ことわり)である「お話」を味わい、ココロとカラダと息をつかうヨーガ遊びを楽しむことで、今、ここにいる力(マインドフルネス)や誰にでもそれはあることなんだ~という認知(共通の人間性)、やさしさ(慈悲心)を自分に向けるセルフコンパッションを稽古でき、幸せな気分をもつことができます。
子どもは受け止めてもらえるおとなとの現実に戻れるからこそ、お話の世界に旅立つことができます。
共に今ここにある身体感覚と共に想像の世界に行くことができる
お話ヨーガは、「お話」の内容をカラダとココロで表現していく楽しいヨーガです。
お話ははじまるとやがて終わるという見通しがあります。そして、お話を頭の中だけでじっと聞ける子ども、すぐさまムズムズうごきたい子ども、じっとしていても、頭の中だけ別の世界にいるこども、どんな子どもも、ヨーガで今のカラダの感覚に戻ることができます。
皆と一緒にお話にでてくる登場人物、たとえば、桃太郎にも猿や犬に鬼にも、宝物にも「なったつもり」で、その感覚や感情、考えや環境を味わう体験は実は意外に面白いものです。
恥ずかしがりやの子どもであっても皆と一緒に形の真似ならば~とおそるおそるカラダを動がすと、その気持ちよさや楽しさに惹かれて、次は自分から真似ようとするなど、やがては主体的にヨーガに取り組む子どもの姿を、これまでいくつも見てきました。
自己調整がスマートになる
おとなの方は、独りエンドレス(終わりなく)に空想にふけるのではなく、皆とプレゼンス(存在)して想像にふける楽しさを再認識できます。また、子どもと一緒に生命の理コトワリである「お話」を通して、生き方の原理、原則を「思い出す」ことができます。柔軟度がアップして今抱えている現実の問題にマクロな視野からアプローチができるようになります。
そして何より、こうしたヨーガの継続が自律神経からのカラダの不調を解消してくれます。自律神経の活性は自己調整*の要です。
*自己調整:適応的情動調律能力や、自分の意志による情動調整のこと。
お話を味わいながら、自己調整をおとなも子どもたちも共に協働で行える時間=お話ヨーガをぜひご活用ください。
※講座詳細についてはこちら
・ブックレットは講座受講料に含まれています
・お話ヨーガサポーター養成講座はオンデマンド動画による自己学習形式です
この記事へのコメントはありません。